織田信長が築城した安土城は敵の襲来を防ぐという防御目的の城から豪華な天主を持つ城へと変貌した城だと言われています。大河ドラマや映画などでも多くの武将が安土城に集まり、信長にひれ伏す様子が描かれています。
また、海外からの来客を招くなど当時としては最先端の城郭でした。黄金の天主を持つ安土城ですが、本能寺の変の後に焼失してしまい、現在は城郭だけが残っています。
安土城跡の現在の様子や子どもや高齢者でも天主跡まで登れるのかどうか…について、写真多めでご紹介します。
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豪華な天主を誇った幻の安土城と関連施設から織田信長をしのぶ(滋賀県安土城)
安土城跡の全体像
安土城跡は入り口から石段を頂上の天主跡まで上がっていきますが、城郭はすべて焼失していて基礎の石や「本丸跡」などの石碑、石垣が残っているだけです。それでも長い石段や天主跡から見る景色などから、当時の城の雰囲気をしのぶことができます。
全体像はこのようになっています。
石段は405段ありますが、途中で平坦な部分(階段の踊り場のような感じ)もあるので休みながら登ることができます。
安土城跡の入り口
安土城跡の入り口で入場料700円(高校生以下は200円)を支払って入場します。
入口からすぐの石段が大手道です。今は大手道の復旧工事をしています。工事と言っても重機などはないので、安心して歩いて上がれます。
安土城跡にある羽柴秀吉邸の跡
大手道と呼ばれる石段を上がっていくと、左手側に羽柴秀吉邸の跡があります。ここは基礎の石だけが残っています。近くには縄張りの図や説明文が掲示されています。
礎石(基礎の石)だけが残っています。
織田信長の菩提所 摠見寺(そうけんじ)
石段をさらに少し上がると右手に摠見寺(そうけんじ)の仮本堂があります。ここは徳川家康屋敷跡と言われるところで、もともとの本堂は別の場所にありましたが、焼失してしまいました。
仮本堂には釣り鐘があり、誰でもつくことができます。
安土城跡の石仏
幾重にも曲がる石段を上がっていくと、ところどころに「石仏」があります。「どうして石垣に石仏が?」と思いますが、これは城普請の際に使用された石の中に各地の石仏や墓石を用いたものと考えられています。
築城の様子を残すためにあえてそのまま保存しているということです。
安土城跡の仏足石
石段を上がる途中で「仏足石」という大きな石があります。この石には大きな足跡が彫られています。これはお釈迦様の足跡を表現したものだそうです。日本では薬師寺(奈良県)にも仏足石があり、わが国最古のものと言われています。安土城跡にある仏足石は築城の際に石垣の一部として使用されたものではないかと言われています。
安土城跡の織田信忠邸の跡
信長の長男・織田信忠邸跡の碑があります。武勇にすぐれた人だったそうですが、本能寺の変の際に死亡しています。このような石碑が建っているだけで、すべて焼失したと思われます。現在は草が生い茂り、当時をしのぶことはできません。
安土城の石垣
安土城の石垣は滋賀県大津市坂本から「穴太衆(あのうしゅう)」という石垣作りの職人集団を招いて作らせたと言われています。ただ、これだけ大きな城の石垣すべてを穴太衆だけで作ったのではないと見られています。これらの一部が穴太衆によるものと考えるのが自然だと考えるといいでしょう。
安土城跡の二の丸跡と信長廟
本丸や天主跡に向かう途中に二の丸跡と信長廟があります。
二の丸跡の石碑のある方に進みます。
その先に「信長廟」があります。
こちらが「信長廟」で中は立ち入り禁止になっています。
織田信長の遺体は本能寺の変の後、見つかっておらず、全国各地に墓や供養塔があります。安土城にある信長廟もそのひとつだと言えます。
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安土城の天主・本丸跡
二の丸跡や信長廟を見た後、また少し行くと「天主・本丸跡」の案内が見えます。
「天主・本丸に至る」という案内
ここが本丸があった場所です。ご覧の通り、現在は何もありませんが、当時は「千畳敷」と呼ばれるほど広かったようです。ここには「行幸の間」と呼ばれる天皇をお迎えする部屋が作られていたと言われています。実際には行幸は実現しませんでしたが、信長がそのような思いを持っていたことがわかります。
本丸跡の説明です。
安土城の天主跡
さらに「天主跡」という案内があるので、最後の石段を上ると天主があった場所に出ます。ここが頂上です。
石段を後少し上がると天主跡です。
天主跡には礎石があるだけでした。
琵琶湖や安土の城下が一望できる見晴らしのいい場所です。信長も天主から琵琶湖や城下の様子を見ていたと思われます。
安土城跡の天主から下りる道
天主跡まで行くとあとは下りるのみですが、もと来た道を下りる方法と摠見寺の三重塔や仁王門を見ながら帰る道の2通りがあります。
摠見寺の三重塔と仁王門だけは焼失せずに現在も残っています。
三重塔や仁王門は重要文化財なので、ぜひ見学してみてください。
摠見寺の仁王門
仁王門からは急な石段やちょっと険しい山道がありますが、女性の私でも十分に行けるので大丈夫です。
仁王門から下る石段
摠見寺から下る山道
安土城跡の散策にかかる時間
安土城跡の天主跡まで行くには石段を上がるしか方法がありません。自動車で道路が作られているということはないので、少しずつ登っていきましょう。
石段はひとつひとつの段差はそれほど高くないので、ゆっくり上がれば大丈夫です。
足腰に不安がある方は入り口で杖を無料で貸してくれます。
安土城跡は子どもや高齢者でも上がれる?
小学生や幼稚園児のお子様でも上まで上がることは可能です。高齢者の方でもたくさん登っておられました。
入口から天主跡までは30分くらいなので、往復で1時間ほどです。足に自信がない方はもう少し時間を見ておくといいですね。
ただ平坦な部分は少ないので、車イスやベビーカーでは難しいと思います。
安土城跡のトイレ
入場した後はトイレはありません。駐車場近くにある案内所のトイレを事前に利用してください。
また、ペットも入場禁止です。ご注意ください。
安土城跡の概要
- 住所:滋賀県近江八幡市安土城下豊浦6371
- 電話番号:0748-46-6594
- 休業日:なし(年中無休)
- 受付時間:8:30~17:00(入場の最終受付は16:00)
- 入場料:大人700円 子ども(高校生以下 200円)
- 総見寺特別拝観:8:30~15:00
安土城跡 総見寺への行き方
安土城跡にある総見寺への行き方をご紹介します。
電車で行く場合
まずJR琵琶湖線で「安土駅」まで行きます。安土駅は新快速は止まりません。普通に乗ってくださいね。
安土駅から安土城跡方面へのバスは1日に5便しか出ていません。とても不便なので、ここからタクシー(約7~8分、料金は900園~1000円ほど)を使うか、レンタサイクルを使う方法がおすすめです。
レンタサイクルは安土駅で貸し出しています。1時間200円~です。
なお、安土駅から安土城跡まで歩いて行けないことはありませんが、かなり距離があります。また、安土城跡に登るのも大変なので、現地まではタクシーかレンタサイクルを利用されるのがいいでしょう。
自動車で行く場合
自動車で行く場合は名神高速道路の八日市IC、竜王IC、蒲生スマートICで降ります。
安土城跡の地図
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