新潟県在住だった横田めぐみさん(当時13歳)が北朝鮮に拉致されたのは1977年11月でした。その後、ご両親はじめご家族の方は1日も早く返してほしいと呼びかけを続けていますが、いまだにその願いは叶っていません。
滋賀県蒲生郡日野町にある「近江日野商人館」には、横田めぐみさんのお母さま(横田早紀江さん)のご実家(京都)にあったひな人形が「めぐみさんの帰国待ちわび雛」として飾られています。
新潟に住む横田めぐみさんゆかりのひな人形がなぜ滋賀県日野町に展示されているのでしょうか。詳しくご紹介します。
横田めぐみさん待ちわび雛が滋賀県日野町に来たわけ
横田めぐみさんは新潟県在住(当時)、母親の早紀江さんのご実家は京都なのに、このひな人形が滋賀県日野町にある理由。それは不思議なご縁があったからです。
2016年秋、近江日野商人館に早紀江さんの実家にあったひな人形が「ある人」から持ち込まれました。その人は早紀江さんのご実家の工事に関わった日野町在住の人だったそうです。(近江日野商人館は日野町出身の近江商人の歴史や活動内容などを紹介している資料館です)
その人は日野町で毎年「ひなまつり紀行」というひな人形を展示するイベントがあることを知っていて、日野商人館で展示するためにもらい受けました。
当初は横田さんのご実家のひな人形ということは伏せて展示されていました。もちろん早紀江さんにもそのことは知らされていませんでしたが、近江日野商人館の館長さんはじめスタッフの方々が「公開することで拉致被害者の方々の何かしらの支援になるのではないか」と考えて、2019年に横田早紀江さんにお手紙を出し、横田さんの名前を出すことの許可を得られました。
その手紙のやりとりも近江日野商人館に展示されています。
こちらは資料館の館長が横田早紀江さんに送った手紙の内容
横田早紀江さんからの手紙には、「昨年にはお心のこもったお便りをいただきまして、厚く御礼申し上げます。私共の旧いひな人形を、こんなに大切にしてくださって感動で一杯です。
ぜひ被害者のめぐみの母方の人形でありますことをお伝え頂きまして、拉致事件を皆さまに考えて頂けましたらありがたいことでございます。」と書いてあります。
女の子の幸せを願うひな人形だからこそ
ひな人形には女の子の幸せを願う意味があります。
だからこそ、同資料館ではめぐみさんの幸せと1日も早い帰国を願って、日野町ひなまつり紀行の時期に「めぐみさんの帰国まちわび雛」と命名して展示をすることになりました。
江戸時代のひな人形
横田さんのご実家から届いたこの「待ちわび雛」は江戸時代末期から明治時代初期に作られたものそうです。
近江日野商人館では他にも多くの古い時代のひな人形を大切に保管しています。その保管技術も評価されて、こちらに預けることになったのでしょう。
こちらに製作時期が書かれています。
横田めぐみさんの幸せと1日も早い帰国を願っています。
めぐみさんの帰国待ちわび雛の展示場所
横田めぐみさんの帰国待ちわび雛は「近江日野商人館」で見られます。(日野ひなまつり紀行の期間中2020年2月9日~3月8日)
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近江日野商人館の案内
- 住所:滋賀県蒲生郡日野町大窪1011
- 電話番号:0748-52-0007
- 開館時間:9:00~16:00
- 入館料:大人300円 子ども(小・中学生)120円
- 休館日:月曜日・火曜日(祝日の場合は水曜日が休館)、年末年始(12月29日~1月4日)
- 駐車場:数台分あり(無料)
近江日野商人館の地図
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