2019年秋から始まったNHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」は陶芸に挑む女性の物語です。
今回はその朝ドラ「スカーレット」のロケ地になっている窯元の宗陶苑(そうとうえん)で陶芸体験をさせていただいたので、その内容をご紹介します。
「スカーレット」のロケ地の舞台となった信楽について詳しく知りたい方は、こちらをお読みください。

宗陶苑で陶芸体験(陶芸教室)を受けるには
宗陶苑は信楽でも長く続く窯元で、今も現役の登り窯が稼働しています。
ドラマでは大島優子さん演じる熊谷照子の家が「丸熊陶業」という窯元という設定で、宗陶苑の登り窯や作業場などが使われています。
宗陶苑の陶芸教室は予約が必要
陶芸教室は「〇回シリーズ」という形で通うのではなく、1回だけ体験するというものです。
宗陶苑にはいくつもの陶芸用の教室があり、学校の体験学習や修学旅行、団体のツアーなどで多くの人が陶芸体験に来ています。
そのため、陶芸体験をするには必ず電話で予約をしておきましょう。
予約の電話番号→0748-82-0316
陶芸体験は個人でも可能
陶芸体験は個人でも可能です。
私も1人で申し込みました。
たまたまその時間帯に他の希望者がいなかったために、先生と1対1のマンツーマンで教えていただくことができました。
ただ、希望する時間帯に他の申し込み者やグループがいる場合は一緒に受けることになります。
陶芸教室でできる作品
陶芸教室(陶芸体験)では手で作品を作っていく「手ひねり」、電動ろくろを使う「電動ろくろ体験」などがあります。
また、作れるものは茶碗、湯飲み、マグカップ、皿などです。
1人に割り当てられる粘土の量が決まっているので、あまり大きなものは作れません。
その場で何を作るかを決めて取りかかります。
迷った時は先生がアドバイスしてくれるので心配はいりません。
宗陶苑の陶芸教室は朝ドラ「スカーレット」にも登場?
NHK朝ドラ「スカーレット」の11月9日ごろの放送では、主人公の喜美子(戸田恵梨香さん)が信楽に帰ってきます。
親友の熊谷照子の家の丸熊陶業で働かせてもらうことになりますが、そこで絵付け師と出会う場面があります。
その場所がこの宗陶苑の陶芸教室に似ていると感じました。
どの教室もなかなか歴史があるたたずまいをしているので、ドラマにピッタリだと思いました。
(実際にロケに使用されたかどうかは不明です。もしかしたらセットでの撮影かも知れません。)
こちらは第一陶芸教室です。

こちらは第二陶芸教室です。
なかなか歴史を感じる建物ですね。

私が体験したのは、この第四陶芸教室でした。
こじんまりとして見えますが、中は結構広かったですよ。

なお、陶芸体験のエリアに行くにはドラマのロケにも使われた登り窯の横を通っていきます。
登り窯見学もできるのがここのいいところです。

陶芸体験でマグカップができるまで
私は最初は湯飲み作りをしようと取りかかりましたが、「ちょっと大きいかも」と言われ、急きょマグカップに変更しました。
実際にどのような流れで作品を作っていくのかをご紹介します。
なお、エプロンや手拭きは準備されています。
陶芸体験の流れ
教室内にもプロセスが貼ってあります。

1.ひとりに1個、粘度のかたまりをもらいます。
本来は粘土をこねるところから始まりますが、陶芸教室ではそこはやらずに、すでにこねてまとまった粘土を受け取ります。

2.粘土を4分割します。

3、そのうちのひとつを丸めて台の上に乗せて平たくします。
これが器の底の部分になります。
粘度は乾燥しやすいので手早くするのがポイントだそうです。

4.ひも状にした粘土を3の粘土の上に丸く乗せて、指でつなぎめをくっつけていきます。
4分割した粘度のうちの1つを細いひも状にして、3の平たい粘度に乗せていきます。

特に難しい技術や体力は必要なくて、本当に子どもの粘度細工のように楽しんでできますよ。
5.次も同じです

こうやって少しずつ背が高くなっていきます。

焼き上げると粘土の状態から2割ほど小さくなるので、大きめに作りましょうと言われました。
私は湯飲みを作るつもりでしたが、この段階ですでに大きかったのでマグカップに変更です。
マグカップの取っ手作り
マグカップの取っ手を作るために、粘土を細く平たくします。
うまく指で持てる程度の大きさにします。
持ち手を平たくしたり、丸くしたり、アレンジは自由です。

先生いわく「取っ手ひとつにしてもいろいろな形があり、奥が深いんです」とのこと。
ここには写っていませんが、これ以外にも何個も取っ手を作りました。

どうにか取っ手ができました。カップに取り付けるのは先生が後でやってくださるそうです。
表面をきれいに仕上げて完成です。

最後に色を決める
登り窯で焼く場合は色はつけません。
粘土の自然な色で焼き上げるのが特徴ですが、現在は登り窯には2月と8月の年2回しか窯に火が入らないそうです。
仕上がりが遅くなるが、それでもよければ登り窯で焼くことも可能だと言われました。
私が体験に訪れたのは9月はじめなので、登り窯で焼くと仕上がりがかなり先になること、そして、お値段も高くなることから、今回は釉薬(ゆうやく)を使って色をつけることにしました。
色見本
下の写真の中から好きな色を選びます。私はブルーにしました。

焼き上がりは1ヶ月半~2ヶ月ほどかかるそうです。
できあがったら発送してくれますが、取りに行くことも可能です。
宗陶苑では団体客の利用が多いため、焼き上がっても個別に連絡することはされていません。
自分で「そろそろ焼けたかな~」というころに電話をして、取りに行きます。
完成が楽しみです。
宗陶苑の敷地内にはこのように陶芸教室で作られた作品が乾燥されていました。

私が受けた後の時間も団体客が入っていたようで、ちょうど私は誰も予約がない時間に体験することができました。
陶器を見てから陶芸体験をするのがおすすめ!
陶芸体験をしたあとで宗陶苑の店内に行ってみました。
先生がおっしゃっていた「取っ手にもいろいろある」というのを作品を見て実感!
こんなにいろいろな形があるんですね。

ちょっとひねった取っ手やデザイン性がある取っ手など、いろんな形があることを再発見しました!

こちらはズラッと並んだマグカップ。
すべて宗陶苑の店内で販売しています。
こういった作品を見て、どんな形をしているのか、カップの深さはどれくらいか…などをじっくり見てから陶芸体験するのがおススメです。

陶芸体験の感想
普段何気なく見ている信楽焼の焼物ですが、自分でやってみるとその難しさや奥深さを痛感しました。
信楽焼を買う前に体験しておくと、作品(商品)の見方(見る目)が違ってくるだろうなと思います。
信楽に初めて行かれる人は、先に陶芸体験されることをおすすめします。
粘土をさわるのは癒し効果がある
子どものころは粘土遊びや砂遊びなどに夢中になりましたが、これは癒し効果があるのではないかなと思います。
粘土の感触や粘土のにおいなどがとてもなつかしく感じました。
これで焼き上がりを見ると、より感慨が深いだろうなと思います。
仕上がりが楽しみです。
いい体験をさせていただき、ありがとうございました。
宗陶苑の陶芸体験の概要
最後になりましたが、宗陶苑の陶芸体験の概要をご紹介します。
- 料金……電気窯・ガス窯で焼く場合は1650円、登り窯で焼く場合は2200円
- 所要時間……1時間~1時間半
- 体験時間……10時20分~、13時~、14時30分~の1日3回
- 仕上がりまでの日数……1ヶ月半~2ヶ月ほど
- 持ち物……ハンカチやタオルなど手を洗った後に手を拭くもの(エプロンは貸出があるので不要)
- 服装……汚れてもいい服装(それほど汚れることはありませんが念のため)
- 小さな子どもの陶芸体験……可能
小さなお子様の陶芸体験も可能なので、ご家族で行ってみるのもいいですね。
ただ、修学旅行や学校の社会見学、団体のツアー客などの予約が入っていると、個人での予約が取りにくい場合があります。
予約は早めに電話または申し込みフォームから予約されることをおすすめします。
宗陶苑のホームページから陶芸体験教室のクーポン券が印刷できます。これを持っていくと10%割引になるのでお得です。
宗陶苑の場所と予約電話番号
宗陶苑の地図はこちらです。信楽町内に入ると、あちこちに「宗陶苑」の看板が立っているので場所はすぐにわかると思います。