滋賀県蒲生郡日野町にある綿向(わたむき)神社にはイノシシの像があります。
2019年がイノシシ年だったということもあり、テレビなどでも紹介されています。
今回は、そんな綿向(わたむき)神社の魅力をご紹介します。
綿向神社とは
正式名称は「馬見岡綿向(うまみおかわたむき)神社」と言います。
神社はもともとは545年に綿向山の頂上に祠(ほこら)を建てたのが始まりで、796年(平安時代)に現在の場所に移転されたそうです。
日野町は蒲生氏の一族が治めていましたが、綿向神社を氏神として熱心に参拝していました。
また近江商人の豊かな財力によって、神社は支えられていました。
なぜ綿向神社にイノシシが?
綿向神社になぜイノシシの像があるのでしょうか。
神社の由来によると、下記のようなエピソードによるものだそうです。
545年、蒲生野のある豪族2人が綿向山に狩りに出かけました。
そんな中、4月(現在の5月)だったのに、急に吹雪と風が起こりました。
2人はしばらく岩かげで休むことにしましたが、次第に雪は止んでいきました。
その時に、積もった雪には大きなイノシシの足跡があり、その足跡をたどっていくと山頂に導かれました。
そこで、綿向大神様の化身として現れた白髪の老人に出会いました。
その老人に「この山の頂(いただき)に祠を建てて祀るように」と言われ、社殿を建てました。
これが綿向神社の始まりです。
それ以来、綿向神社ではイノシシを神様の使いとしているとのことです。
綿向神社でイノシシ年だけ登場する絵馬

絵馬は祈願したいことを心を込めて記入して祈願所に納めるものです。
学問の神様の菅原道真を祀る天満宮では受験祈願や合格祈願を書いて納めます。
絵馬の絵柄は神社によってさまざまですが、綿向神社はイノシシ年だけの絵柄の絵馬があります。
亥年だけ登場するイノシシの絵馬がこちらです。


イノシシの焼き印が押してあります。
次にいただけるのは12年後だと思うと、「この機会に!」という気持ちになりますね。

綿向神社のかわいいお守り
お守りは多くの種類が用意されています。

イノシシのお守りもあります。

開運・金運UPの千両松守り

そして、中でもおすすめなのが開運や金運、道中安全を祈願する「千両松守り」です。
このお守りの中には「五葉松」の葉が入っています。
日野町は近江商人が多く住んでいたところで、薬などを全国各地に売りに行っていました。
その近江商人のひとり辻惣兵衛氏は、江戸時代に綿向神社を崇拝し、商売が繁盛したそうです。
その後、静岡県の三島に出店し栄えました。
商売で得たお金を故郷の日野まで持ち帰るのが心配だったので、松の盆栽の鉢の中に隠して移動。
無事に故郷の日野まで持ち帰ることができました。
「これは綿向大神のおかげだ」と盆栽の松を植えたといいます。
その松は今も境内で青々とした葉をつけています。

五本の葉があることから一般には「五葉松(ごようまつ)」と呼ばれますが、この神社では「千両松」と呼ばれ、葉を財布に入れておくと運が開け、お金が貯まると言われるようになりました。
さらに静岡県から滋賀県日野町まで無事に帰ったことから道中安全のご利益があるとも言われています。

綿向神社のおみくじ
おみくじもたくさんの種類があります。

イノシシのおみくじは、お腹の中に入っています。


あとは部屋に飾っておくといいですね。
綿向神社の参拝経路
綿向神社には参拝経路が記されているので、その通りに参拝していきます。
本殿の裏側にもイノシシの像があります。
参拝経路
参拝経路をご紹介します。
1:手水で手を口を清めます。
この神社の手水はひしゃくですくうのではなく、流れる水を直接手で受けるタイプです。

2:まずは本殿を参拝します。
参拝は二拝二拍手一拝してから手を合わせます。

3:矢印の通り進む
本殿の横に矢印があるので、その通りに進みます。

4:撫でイノシシ
ちょうど本殿の後ろ側に撫でイノシシの像があります。

撫でるとご利益があるそうですよ。

5:神様のもっとも近い裏参り
本殿のま後ろにも参拝する場所があります。
「神様にもっとも近い裏参り」と書かれています。

たしかに神様にもっとも近い場所ですね。
6:神社の行事を見学
神社の年間行事が表示されています。
それを見ながら進むと神社をグルっと一周します。

7:イノシシの像
本殿の右側にイノシシの像があります。

綿向神社のアクセス
住所
滋賀県蒲生郡日野町村井705
アクセス
●名神八日市ICより、R421→R307→R477を経て約20分
●名神蒲生スマートICより、R477を経て約15分
●新名神甲賀土山ICより、R1→R307→R477を経て約20分
公共の交通機関では少し行きにくい場所にあります。
近江鉄道・日野駅からバスも出ていますが、本数が少ないので事前にご確認ください。
綿向神社の駐車場
綿向神社は駐車スペースが少なかったのですが、2019年はイノシシ年ということで駐車場を整備し、観光バスも複数台駐車できるようになりました。
私が参拝したときも観光バスが何台か来ていました。
自動車でも安心して参拝できます。